前編では、関数の作り方を学びました。後編では、作った関数を実際に使ってみましょう。また、アロー関数という、関数を短く書くための便利な記法についても紹介します。
3. 関数を使ってみよう
作った関数を使うには、関数名に続けて()
を書き、その中に引数を渡します。これを「関数を呼び出す」といいます。
例:add
関数を呼び出す
前編で作ったadd
関数を呼び出してみましょう。
javascript
function add(x, y) {
let result = x + y;
return result;
}
let sum = add(5, 3);
console.log(sum); // 8
add(5, 3)
と書くことで、add
関数が呼び出され、引数として5
と3
が渡されます。関数の中で5
と3
が足し算され、その結果(8
)がreturn
で返されます。返された値は、sum
という変数に格納され、console.log()
でコンソールに表示されます。
例:greet
関数を呼び出す
引数がないgreet
関数を呼び出すときは、以下のように書きます。
javascript
function greet() {
console.log("Hello!");
}
greet(); // Hello!
greet()
と書くだけで、greet
関数が呼び出され、コンソールに「Hello!」と表示されます。
例:greetWithName
関数を呼び出す
引数があり、戻り値がないgreetWithName
関数を呼び出すときは、以下のように書きます。
javascript
function greetWithName(name) {
console.log(`こんにちは、${name}さん!`);
}
greetWithName("山田"); // こんにちは、山田さん!
greetWithName("山田")
と書くことで、greetWithName
関数が呼び出され、引数として"山田"
が渡されます。関数の中で、"山田"
を使った挨拶メッセージが作成され、コンソールに表示されます。
4. アロー関数で短く書く(おまけ)
アロー関数は、ES2015(ES6)で導入された、関数を短く書くための記法です。function
キーワードの代わりに=>
(アロー)を使います。
例:add
関数をアロー関数で書く
先ほどのadd
関数をアロー関数で書き直すと、以下のようになります。
javascript
const add = (x, y) => {
let result = x + y;
return result;
};
function
キーワードがなくなり、代わりに=>
が使われていますね。
さらに、アロー関数では、以下のような省略記法を使うことができます。
- 引数が1つだけのときは、
()
を省略できる。 - 関数の本体が一つの式だけで、その結果を返す場合は、
{}
とreturn
を省略できる。
これらを適用すると、add
関数は以下のように、さらに短く書くことができます。
javascript
const add = (x, y) => x + y;
たった1行になりました!
例:greet
関数をアロー関数で書く
引数がないgreet
関数は、以下のように書けます。
javascript
const greet = () => {
console.log("Hello!");
};
さらに、本体が一つの式だけなので、{}
を省略して、以下のように書くこともできます。
javascript
const greet = () => console.log("Hello!");
例:greetWithName
関数をアロー関数で書く
引数が1つのgreetWithName
関数は、以下のように書けます。
javascript
const greetWithName = name => {
console.log(`こんにちは、${name}さん!`);
};
さらに、本体が一つの式だけなので、{}
を省略して、以下のように書くこともできます。
javascript
const greetWithName = name => console.log(`こんにちは、${name}さん!`);
アロー関数の注意点
アロー関数は便利な記法ですが、通常の関数と完全に同じではありません。主な違いは、this
という特殊な変数の扱い方です。超入門では解説しませんが、今のところは、「アロー関数では、this
の扱いが少し違う」ということだけ覚えておいてください。