前編では、オブジェクト指向、非同期処理、ライブラリやフレームワークといった、JavaScriptの学習をさらに深めるための重要なトピックを紹介しました。後編では、デバッグに役立つツール、おすすめの学習サイト、そしてJavaScriptに関連するコラムをお届けします。
4. デバッグに役立つツール
デバッグとは、プログラムのバグ(不具合)を見つけて修正することです。デバッグを効率的に行うためには、専用のツールを使うのが効果的です。
ブラウザの開発者ツール
主要なウェブブラウザには、開発者ツールと呼ばれる、ウェブ開発に役立つ様々な機能が備わっています。開発者ツールには、以下のようなデバッグに役立つ機能が含まれています。
- コンソール:
console.log()
の出力結果を確認したり、JavaScriptのコードを直接実行したりできます。 - デバッガ: プログラムの実行を一時停止したり、ステップ実行(1行ずつ実行)したり、変数の値を確認したりできます。
- ネットワーク: ブラウザとサーバー間の通信内容を確認できます。
- 要素の検証: HTMLの構造やCSSの適用状況を確認できます。
これらの機能を活用することで、効率的にデバッグを行うことができます。開発者ツールの使い方について詳しくは、「ブラウザ名 開発者ツール」などで検索してみてください。
デバッグ用のライブラリ
ブラウザの開発者ツールだけでなく、デバッグを支援してくれるライブラリも存在します。
例えば、ESLintは、JavaScriptのコードを静的に解析し、潜在的なバグや問題点を指摘してくれるツールです。ESLintを使うことで、バグを未然に防いだり、コードの品質を向上させたりすることができます。
また、console-banは、その名の通り、console
オブジェクトの指定のメソッドの呼び出しを禁止できるツールです。例えば、console.log
の呼び出しを禁止することで、デバッグ用のコードが本番環境に混入するのを防ぐことができます。
これらのツールを活用することで、より効率的にデバッグを行い、品質の高いコードを書くことができるようになります。
5. おすすめの学習サイト
JavaScriptを学ぶための、おすすめの学習サイトをいくつか紹介します。
日本語で学べるサイト
- ドットインストール: 動画でプログラミングを学べるサイト。JavaScriptの入門講座も充実しています。
- Progate: スライド形式で学べるサイト。JavaScriptのコースでは、実際にコードを書きながら学習を進められます。
- MDN Web Docs: Mozillaが運営する、ウェブ開発に関する包括的なドキュメントサイト。JavaScriptのリファレンスとしても活用できます。
英語で学べるサイト
- freeCodeCamp: プログラミングを無料で学べるコミュニティサイト。JavaScriptのカリキュラムも充実しています。
- Codecademy: インタラクティブなレッスンで学べるサイト。JavaScriptのコースでは、実際にコードを書きながら学習を進められます。
- The Odin Project: オープンソースのカリキュラムで、実践的なウェブ開発を学べるサイト。
これらのサイトを活用して、自分のペースで学習を進めてみてください。
コラム:JavaScriptの「方言」
JavaScriptは、ウェブブラウザで動作するプログラミング言語として広く普及していますが、実は、ブラウザや実行環境によって、微妙に動作が異なる場合があります。これは、JavaScriptの仕様が完全に統一されていないことが原因で、「方言」 と呼ばれることもあります。
例えば、Internet Explorerは、他のブラウザとは異なるJavaScriptエンジンを搭載していたため、他のブラウザでは問題なく動作するコードが、Internet Explorerではエラーになることがありました。
このような方言の問題に対処するために、開発者は、ポリフィルと呼ばれる、古いブラウザに新しい機能を追加するためのコードを使用したり、Babelなどのトランスパイラを使って、新しい構文を古いブラウザでも動作するようなコードに変換したりしていました。
近年では、ブラウザ間の互換性は向上してきていますが、それでも、特に古いブラウザをサポートする必要がある場合は、方言の問題に注意する必要があります。
Can I use... というウェブサイトでは、様々なウェブ技術のブラウザ対応状況を確認することができます。開発の際には、このようなサイトを活用して、ターゲットとするブラウザで正しく動作することを確認することが重要です。
JavaScriptの方言は、開発者にとっては悩みの種でもありますが、ウェブの進化の歴史を反映したものでもあります。方言の存在を知ることで、JavaScriptへの理解をより深められるでしょう。