これまでは、JavaScriptの基本的な書き方、変数、データ型、演算子、条件分岐、繰り返し処理などを学んできました。この章では、関数について学びましょう。関数を使えば、一連の処理をひとまとめにして、名前を付けることができます。
1. 関数って何?
関数とは、一連の処理に名前を付けて、いつでも呼び出せるようにしたものです。例えるなら、自動販売機のようなものです。自動販売機にお金を入れてボタンを押すと、ジュースが出てきますよね。関数も同じように、入力を与えると、それに応じた出力を返してくれます。
関数を使うメリットは、主に以下の3つです。
- コードの再利用: 同じ処理を何度も書く必要がなくなる。
- コードの見通しが良くなる: 処理のまとまりに名前を付けることで、コードが読みやすくなる。
- コードの修正が簡単になる: 処理の内容を変更したいとき、関数の中身を修正するだけで済む。
例えば、先ほど学んだ「1から10までの数字を表示する」処理を、毎回for
文で書くのは大変ですよね。しかし、この処理を関数にしてしまえば、いつでも簡単に呼び出すことができます。
2. 関数の作り方
JavaScriptで関数を作るには、function
キーワードを使います。関数の基本的な構文は、以下のとおりです。
javascript
function 関数名(引数1, 引数2, ...) {
// 実行する処理
return 戻り値;
}
- 関数名: 関数の名前です。好きな名前を付けることができますが、分かりやすい名前を付けるようにしましょう。
- 引数(ひきすう): 関数に渡す入力データです。複数指定することもできますし、何も指定しないこともできます。
- 実行する処理: 関数が呼び出されたときに実行される処理です。
return
: 関数の出力(戻り値)を返します。return
は省略することもできます。
例:2つの数を足し算する関数
実際に、簡単な関数を作ってみましょう。ここでは、2つの数を受け取って、それらを足し算した結果を返すadd
という関数を作ります。
javascript
function add(x, y) {
let result = x + y;
return result;
}
この関数は、x
とy
という2つの引数を受け取ります。そして、x
とy
を足し算した結果を、result
という変数に格納し、return
で返しています。
例:引数がない関数
引数がない関数を作ることもできます。例えば、コンソールに「Hello!」と表示するだけのgreet
という関数は、以下のように書けます。
javascript
function greet() {
console.log("Hello!");
}
この関数は、引数を受け取らず、ただコンソールに「Hello!」と表示するだけです。
例:戻り値がない関数
戻り値がない関数を作ることもできます。例えば、引数として受け取った名前を使って、挨拶メッセージをコンソールに表示するgreetWithName
という関数は、以下のように書けます。
javascript
function greetWithName(name) {
console.log(`こんにちは、${name}さん!`);
}
この関数は、name
という引数を受け取り、それを使って挨拶メッセージを表示しますが、値を返しません。このような場合は、return
を省略することができます。