さて、いよいよ Tailwind CSS を使う準備をしていきましょう。この章では、Tailwind CSS を使うために必要な環境を整え、実際に Tailwind CSS を使って簡単なスタイルを適用するまでの手順を、ステップバイステップで解説していきます。
1. 必要なもの(エディタ、Node.js、npm)
まず、Tailwind CSS を使うために必要なものを確認しておきましょう。
- コードエディタ: HTML や CSS を書くためのエディタが必要です。おすすめは Visual Studio Code (VS Code) です。無料で高機能、かつ Tailwind CSS との相性も抜群です。もちろん、使い慣れたエディタがあればそれでも構いません。
- Node.js: Tailwind CSS は Node.js という JavaScript の実行環境上で動作します。Node.js をインストールすると、一緒に npm (Node Package Manager) もインストールされます。npm は、Tailwind CSS などのパッケージを管理するためのツールです。
- ターミナル/コマンドプロンプト: コマンドを使って、Tailwind CSS のインストールや設定を行います。Windows の場合はコマンドプロンプトや PowerShell、macOS や Linux の場合はターミナルを使います。
Node.js のインストール方法
- Node.js の公式サイト(https://nodejs.org/)にアクセスします。
- 「LTS」(長期サポート版)と書かれた緑色のボタンをクリックして、インストーラーをダウンロードします。
- ダウンロードしたインストーラーを実行し、画面の指示に従ってインストールします。
- インストールが完了したら、ターミナル/コマンドプロンプトを開き、
node -v
とnpm -v
というコマンドを実行して、それぞれバージョン番号が表示されることを確認します。
2. プロジェクトを作成しよう
次に、Tailwind CSS を使うためのプロジェクトを作成しましょう。ここでは、シンプルな HTML ファイルを一つだけ作成します。
- 任意の場所に新しいフォルダーを作成します。例えば、デスクトップに
tailwind-practice
という名前のフォルダーを作成します。 - 作成したフォルダーを VS Code で開きます。
- VS Code のメニューから「ファイル」>「新規ファイル」を選択し、
index.html
という名前でファイルを保存します。 index.html
に以下のような基本的な HTML を記述します。
html
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
<title>Tailwind CSS Practice</title>
</head>
<body>
<h1>Tailwind CSS の練習</h1>
</body>
</html>
3. Tailwind CSS をインストールしよう
それでは、いよいよ Tailwind CSS をインストールしましょう!
- VS Code のメニューから「表示」>「ターミナル」を選択して、ターミナルを開きます。
- ターミナルで、先ほど作成したプロジェクトのフォルダー(例:
tailwind-practice
)に移動します。 - 以下のコマンドを実行して、Tailwind CSS をインストールします。
bash
npm install -D tailwindcss
npm install
は、パッケージをインストールするためのコマンドです。-D
オプションは、開発時にのみ必要なパッケージとしてインストールすることを意味します。
インストールが完了すると、package.json
と package-lock.json
というファイルと node_modules
というフォルダーが作成されます。
次に、Tailwind CSS の設定ファイルを作成するために、以下のコマンドを実行します。
bash
npx tailwindcss init
このコマンドを実行すると、tailwind.config.js
というファイルが作成されます。
4. 設定ファイル(tailwind.config.js
)って何?
tailwind.config.js
は、Tailwind CSS の設定をカスタマイズするためのファイルです。このファイルを使って、色、フォント、余白などのデフォルト値を変更したり、独自のユーティリティクラスを追加したりすることができます。
最初は、tailwind.config.js
の中身は以下のようになっています。
javascript
/** @type {import('tailwindcss').Config} */
module.exports = {
content: ["./*.html"],
theme: {
extend: {},
},
plugins: [],
}
重要なのは content
の部分です。ここに、Tailwind CSS を適用するファイルを指定します。今回は、index.html
だけなので、"./*.html"
となっています。
5. 動作確認!簡単な HTML を書いてみよう
それでは、Tailwind CSS が正しくインストールされているか確認してみましょう!
まず、CSS ファイルを作成します。
- プロジェクトフォルダーに
src
という名前のフォルダーを作成します。 src
フォルダーの中に、input.css
という名前のファイルを作成します。input.css
に以下の内容を記述します。
css
@tailwind base;
@tailwind components;
@tailwind utilities;
これは、Tailwind CSS の基本的なスタイルを読み込むための記述です。
次に、package.json
を編集して、Tailwind CSS のビルドコマンドを追加します。
package.json
を開き、scripts
の部分を以下のように変更します。
json
"scripts": {
"build": "tailwindcss -i ./src/input.css -o ./dist/output.css --watch"
},
これは npm run build
というコマンドで、input.css
をもとに output.css
を生成するようにするためのものです。 --watch
オプションをつけることで、ファイルの変更を監視し、自動的に再ビルドするようにします。
最後に、index.html
を編集して、生成された CSS ファイルを読み込み、Tailwind CSS のクラスを適用してみましょう。
html
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
<title>Tailwind CSS Practice</title>
<link rel="stylesheet" href="./dist/output.css">
</head>
<body>
<h1 class="text-3xl font-bold underline">Tailwind CSS の練習</h1>
</body>
</html>
link
タグで output.css
を読み込み、h1
タグに text-3xl font-bold underline
という Tailwind CSS のクラスを追加しました。
ここで、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
bash
npm run build
このコマンドを実行すると、dist
フォルダーが作成され、その中に output.css
が生成されます。
index.html
をブラウザで開いてみましょう。h1
タグのテキストが大きくなり、太字になり、下線が引かれていれば、Tailwind CSS が正しく動作しています!
また、npm run build
を実行したターミナルは閉じずに、そのままにしておいてください。--watch
オプションのおかげで、index.html
や input.css
を変更するたびに、自動的に output.css
が更新されます。
これで、Tailwind CSS を使う準備が整いました!