前の章では、リモートリポジトリの重要性と、その利用に欠かせない Git ホスティングサービスについて学びましたね。この章では、数ある Git ホスティングサービスの中でも、特に人気の高い GitHub を使って、リモートリポジトリを始める方法を解説していきます!
GitHub は、世界中の開発者が利用する、巨大なプラットフォームです。アカウントを作成すれば、あなたのコードを世界に公開したり、他の開発者と共同でプロジェクトを進めたり、オープンソースプロジェクトに貢献したりと、様々な可能性が広がります。
さあ、あなたも GitHub の世界に飛び込んでみましょう!
1. GitHub アカウントの作成:簡単・無料!
まずは、GitHub のアカウントを作成しましょう。GitHub のアカウント作成は、驚くほど簡単です!しかも、無料で始められます。
GitHub のウェブサイト(https://github.com)にアクセスします。 画面右上の「Sign up」ボタンをクリックしてください。
ユーザー名、メールアドレス、パスワードを入力します。 ユーザー名は、あなたの GitHub 上での名前になります。他のユーザーと重複しない、ユニークな名前をつけましょう。メールアドレスは、GitHub からの通知を受け取るために使用します。パスワードは、安全なものを設定してください。
メール認証を行います。 登録したメールアドレスに、GitHub から認証メールが届きます。メール内のリンクをクリックして、アカウントを有効化しましょう。
プランを選択します。 無料プランと有料プランの選択画面が表示されます。ここでは、無料プラン(Free) を選択しましょう。無料プランでも、プライベートリポジトリとパブリックリポジトリを無制限に作成できます。
いくつかの質問に答えます(スキップ可)。 GitHub の使い方に関する簡単なアンケートが表示されます。スキップしても問題ありません。
これで、あなたも GitHub ユーザーの仲間入りです!簡単でしたね?
2. SSH キーで安全に接続しよう!
GitHub アカウントを作成したら、次は SSH キー を設定しましょう。SSH キーを設定することで、より安全に GitHub のリモートリポジトリにアクセスできるようになります。
2.1 SSH キーって何?なぜ必要なの?
SSH キーとは、公開鍵暗号方式 を利用した認証方法です。簡単に言うと、あなたと GitHub との間で、安全に通信するための「合言葉」のようなものです。
GitHub にアクセスする際、ユーザー名とパスワードで認証することもできます。しかし、毎回パスワードを入力するのは面倒ですし、セキュリティ面でも不安が残ります。
SSH キーを使えば、パスワードを入力することなく、安全かつ簡単に認証できます。また、SSH キーはあなたのパソコンに保存されるため、パスワードのように漏洩する心配もありません。
2.2 SSH キーを生成しよう!
それでは、実際に SSH キーを生成してみましょう。以下の手順は、macOS、Linux、Windows(Git Bash を使用)で共通です。
ターミナル(Windows の場合は Git Bash)を開きます。
以下のコマンドを入力して、Enter キーを押します。
bashssh-keygen -t ed25519 -C "[email protected]"
ssh-keygen
は SSH キーを生成するコマンドです。-t ed25519
は暗号化アルゴリズムに ed25519 を指定するオプションです。より安全なアルゴリズムです。他のアルゴリズムを使用したい場合はrsa
などを指定します。-C "[email protected]"
はコメントをつけるオプションです。GitHub に登録したメールアドレスを入力しておくと、どのキーがどのサービスに対応しているかわかりやすくなります。
SSH キーの保存場所を指定します(通常はデフォルトのままで OK)。
Enter file in which to save the key (/Users/your_user/.ssh/id_ed25519):
特に変更する必要がなければ、何も入力せずに Enter キーを押します。
パスフレーズを設定します(オプション)。
Enter passphrase (empty for no passphrase):
パスフレーズを設定すると、SSH キーを使用する際に、毎回パスフレーズの入力が必要になります。セキュリティを高めたい場合は、設定しておくと良いでしょう。設定しない場合は、何も入力せずに Enter キーを押します。
確認のため、再度パスフレーズを入力します(オプション)。
Enter same passphrase again:
パスフレーズを設定した場合は、確認のため再度入力します。
これで、SSH キーの生成が完了しました!~/.ssh/
ディレクトリに、id_ed25519
(秘密鍵)と id_ed25519.pub
(公開鍵)という2つのファイルが生成されているはずです。
2.3 GitHub に公開鍵を登録しよう!
次に、生成した公開鍵(id_ed25519.pub
)を GitHub に登録します。
GitHub にログインし、画面右上のアイコンをクリックして、「Settings」を選択します。
左側のメニューから「SSH and GPG keys」を選択します。
「New SSH key」ボタンをクリックします。
「Title」に、このキーを識別するための名前を入力します(例:「My Laptop」)。
「Key」欄に、公開鍵の内容を貼り付けます。
- ターミナル(または Git Bash)で、以下のコマンドを実行して、公開鍵の内容を表示します。bash
cat ~/.ssh/id_ed25519.pub
- 表示された内容(
ssh-ed25519
で始まる文字列)をすべてコピーして、「Key」欄に貼り付けます。
- ターミナル(または Git Bash)で、以下のコマンドを実行して、公開鍵の内容を表示します。
「Add SSH key」ボタンをクリックします。
これで、GitHub に公開鍵が登録されました!
3. 新しいリモートリポジトリを作成しよう!
SSH キーの設定が完了したら、いよいよ GitHub 上に新しいリモートリポジトリを作成しましょう!
GitHub にログインし、画面右上の「+」アイコンをクリックして、「New repository」を選択します。
リポジトリ名や説明などを入力します。
- Repository name: リポジトリの名前を入力します。プロジェクトの内容がわかりやすい名前をつけましょう。
- Description (Optional): リポジトリの説明を入力します。
- Public/Private: リポジトリを公開するか非公開にするかを選択します。
- Public: 誰でもリポジトリを閲覧できます。
- Private: あなたと、あなたが許可したユーザーだけがリポジトリを閲覧できます。
- Add a README file: チェックを入れると、リポジトリの説明などを記述する README ファイルが自動的に作成されます。
- Add .gitignore: チェックを入れ、開発する言語を選択すると、その言語で一般的にGit管理から除外すべきファイルが
.gitignore
として作成されます。 - Choose a license: リポジトリのライセンスを選択します。
「Create repository」ボタンをクリックします。
これで、リモートリポジトリの作成が完了しました!
4. ローカルリポジトリとリモートリポジトリを紐付けよう (git remote add
)
最後に、ローカルリポジトリと先ほど作成したリモートリポジトリを紐付けましょう。この作業を行うことで、ローカルリポジトリの変更をリモートリポジトリにプッシュしたり、リモートリポジトリの変更をローカルリポジトリにプルしたりできるようになります。
GitHub のリポジトリページで、SSH の URL をコピーします。 リポジトリページの「Code」ボタンをクリックすると、リポジトリの URL が表示されます。「SSH」が選択されていることを確認して、URL をコピーしてください。
ターミナル(または Git Bash)で、ローカルリポジトリのディレクトリに移動します。
以下のコマンドを実行して、リモートリポジトリを登録します。
bashgit remote add origin <コピーしたSSHのURL>
git remote add
は、リモートリポジトリを登録するコマンドです。origin
は、リモートリポジトリの名前です。慣例的にorigin
がよく使われます。<コピーしたSSHのURL>
の部分に、先ほどコピーした SSH の URL を貼り付けてください。
正しく登録されたか確認します。
bashgit remote -v
以下のように表示されれば、正しく登録されています。
origin [email protected]:your_username/your_repository.git (fetch) origin [email protected]:your_username/your_repository.git (push)
これで、ローカルリポジトリとリモートリポジトリの紐付けが完了しました!